2017/12/17
※掲載中の画像はイメージです。
住宅の下が空洞に!?空洞充填とは?
住宅が増えるに従い、宅地としてふさわしくない軟弱地盤の地域でも家が建ち並ぶケースが増えてきました。
地盤沈下などのトラブルから家を守るために沈下修正などの対策がとられますが、それはあくまで「地盤がある」ということを前提に施工される工事です。
しかし、最近では軟弱地盤より深刻な地盤の空洞化が注目されつつあります。
今回は、そんな住宅下の空洞化の原因や、対策についてまとめていきましょう。
地面の空洞化とは
地面というと、ぎっしりと土や石が詰まった地層を想像してしまいますが、実際にはポッカリと穴が開いた状態、 「空洞」が点在しています。
小さな空洞でも時間が経つにつれ大きくなり、やがて上層部の地面の重みに耐えきれず、地盤沈下や地盤崩落を発生させる可能性があります。
地面空洞化の原因は雨?!
最も多い原因としては雨水の浸食による空洞化です。
地面に吸収された雨水は、流れる場所を探すように柔らかい地層や、わずかな隙間に浸食していきます。
空洞化が進む過程は…
①地層の隙間に雨水が流れ込み溜まる
②雨水が地中を削り取る
③水が蒸発する
④空洞が残る
このような過程が何年も繰り返されることで、最初は小さかった空洞が徐々に大きくなっていくのです。
その他の原因
雨による空洞化の他には、地震による地層のズレが空洞を作るケースや、人為的な地下工事による地面の沈下、崩落が考えられます。
空洞化による弊害は?
空洞化は地中のどこでも起こりうる現象です。もちろん家が建つ地面の下で空洞化が進むケースも珍しくはありません。
空洞化による弊害をいくつかあげていきましょう。
①建物の傾き、沈み
住宅基礎部分の下に空洞ができた場合、 建物自体が傾いたり、沈下する危険があります。
②耐震性の低下
家の下が空洞化している状態で、大きな地震が起こった場合、その建物の耐震性に関わらず、倒壊などの危険性が大きくなります。
③住宅の傷み
どんな頑丈な建物でも、水平に建てられていることが前提です。
空洞化による家の傾きを放置することで、想定外の部分に負荷がかかり、住宅自体に徐々にダメージが蓄積されることが考えられます。
地下空洞化を改善するためには?
上記のような弊害から住宅を守るためにも、症状が現れる前に早急な改善対策を行う必要があります。
そこで行われるのが「空洞充填工事」です。
空洞充填はその地面の状況や施工業者により、やり方は異なります。
基本的には地盤調査を行い、地下空洞の状態を把握します。
地上から小さな穴を開け、モルタルや発泡性のあるウレタン、セメントなどを液状のまま流し込みます。液体は雨水と同じ様に地下の空洞や隙間に入り込みます。
空洞を埋め尽くした後、硬化をさせることで地盤を強化し、沈下や崩落の危険を回避するという工事です。
本来は、住宅に傾きなどの症状が現れる前に行うべき工事ですが、すでにそういった症状が現れている場合は、空洞充填と沈下修正を併せて行うことにより改善することができるでしょう。
まとめ
住宅を建てる地盤は、事前に調査を行い、宅地にふさわしいかを判断する必要があります。しかし、自然現象である地下空洞化がどこで起こるかはなかなか予測できないことです。
住宅に大きな被害が出る前に、空洞充填を行うことで被害を未然に防ぐことができるでしょう。
まずは敷地の地盤調査を行い、安全性を確かめることからスタートしてみてはいかがでしょうか。